つながる社会。
それがスマート化

実はいま、100年に1度と言われる「新・産業革命」が進んでいる。何かというと、ヒトもモノもネットワークでつながる「スマート化」である。ヒトのスマート化はスマホによってすでにどんどん進んでいる。SNSで誰とでもつながれるし、何でもポチれるのはその一例だ。次はモノとモノとがつながる。そう。IoTと言われる最先端テクノロジーだ。

IoTのカギを握るのは、
AIと5G

IoTをざっくり言うと、モノをリモートで監視したり操作したりする技術である。離れた工場にある機械同士がつながれば生産性が上がり、倉庫や店舗とつながれば無駄をなくせる。クルマ同士をつないで安全安心な自動運転を実現するのもIoTである。そして、情報を集めて分析し、モノに命令を出すのがAIであり、瞬時に情報や命令を伝えるのが5Gなのだ。つまり、AIと5GがIoTの基盤なのである。

革命を起こすのは
ハードテクノロジー

IoTを実現するには、膨大な計算があっという間にできるAI専用の半導体チップと、膨大な情報が送れる5G通信用の高周波デバイスが必要となる。しかも、どんなモノにも搭載できるように、非常に小さなサイズにしなくてはならない。それを可能にするはあくまでもハードテクノロジーだ。ソフトウェアやプラットフォームはハードの進化の後を追う。

ハードテクノロジーの
核は「結晶」

では、半導体チップや高周波デバイスはいったいどんな企業が製造しているのだろう。最終製品としては半導体設備メーカーだが、その設備を製作する機械・電機メーカーがあり、さらに設備を構成する装置を供給するメーカーがある。さかのぼるとその先にはレーザーやセンサー類を専門に製造するメーカーがあり、最終的に行きつくのは材料メーカーである。そして、材料の中でも絶対になくてはならないのが「結晶」だ。

「結晶」がなければ
何も始まらない

つまり「結晶」がなければ何も始まらない。新結晶の発見や結晶の機能向上がなければ、次世代の半導体チップの開発や製造も絵に描いたもちに終わってしまうのである。なぜ結晶がハードテクノロジーの核なのか。それは、結晶こそが電子と光をコントロールできる、唯一の材料だからだ。半導体を発展させてきたシリコンも結晶なのである。

AIと5G実現に貢献する
2つの結晶を研究

スマート社会を
日本がリードするために

IoTによるスマート化で世の中は変わる。想像を超えて変わるだろう。だから「新・産業革命」なのである。当然、その核となるハードテクノロジーの研究・開発をめぐって世界中の国々が威信と覇権をかけてしのぎを削っている。
ここで森ゆ研がガチ!な理由に帰結する。森ゆ研は、AI実現に必須の新結晶を発見し、5Gに不可欠な結晶育成に成功した、世界的な結晶研究のリーディング・ラボ。日本がスマート社会をリードする、その使命感があるからこそガチ!なのである。

そもそも「結晶」ってなんだ?

なぜ電気なのに
結晶なの?

「結晶」とは、物質の中の状態のこというのである。原子や分子が規則正しくきれいに並んだ状態を結晶と言い、いい結晶ができれば、新たな機能をもたらすいい材料になる。
森ゆ研では、コンピュータ、通信、エネルギー、医薬などの分野で技術革新をもたらすような「機能性結晶」を研究し、誰も見つけられなかった結晶を発見し、誰も創れなかった結晶を育成してきた。
結晶の何がすごいのか。もし結晶がなければ、電気を使った製品がなくなり、現在の文化的な生活はおくれなくなる。なぜかというと、結晶は、電子を動かしたり止めたりするスイッチの役割を果たすからだ。結晶がなければ電気を制御できない。
結晶は、電子のエネルギーを光に変えることもできるし(それがレーザー)、逆に光のエネルギーを電子に与えることもできる(それが太陽電池)。電波は電子を動かして発信するから、結晶がなければ通信もできない。

産業界には「材料を制するものが技術を制す」という言葉がある。モノづくりは、材料を創るメーカーから最終製品を組み立てるメーカーまで様々な企業がサプライチェーンを構成して行っている。モノづくりを川の流れに例えると、川上に位置する材料(結晶)が全ての原点であり、その製品の成り立ちに多大なる影響力を持ち得ることを差している。
ちなみに日本は、川上の技術に関して強みを持つが、マーケットに近い川下の技術では海外勢に負けている。結晶は、日本が誇る川上に位置するテクノロジー分野のひとつであり、勝ち続けることが期待されている。

さて、森ゆ研は、工学研究科 電気電子情報通信工学専攻 量子情報エレクトロニクスコースに設置されている。「なぜ電気なのに結晶?」と不思議がられることもあるが、その答は、電気電子の世界のもっとも源流にあり、全ての基幹・基盤技術となるのが結晶だからだ。